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【雑感】共生か、分断か。いま私たちが選ぶべき未来

2025年9月20日

取締役の阿部です。近日の報道を見ていて思うところを記載します。

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最近、日本社会では「外国人の受け入れ」をめぐる議論が過熱している。

2024年の訪日外国人は3,500万人を超え、観光消費額は8兆円に達した。インバウンドは、需要が霞んでいく地方経済にとってまさに救世主だ。

また、労働力という観点では、外国人材はすでに介護、農業、建設、サービス業といった多くの分野で日本を支えている。
厚労省の統計によれば、2024年時点で外国人労働者は約230万人。単純労働だけでなく専門職にも広がり、日本経済を実質的に下支えしている。
もし彼らが一斉にいなくなれば、介護現場は回らず、農作物は収穫できず、建設工事は停滞し、飲食や宿泊サービスは縮小または廃止を余儀なくされるだろう。
日本経済は崩壊する。

数多の恩恵を受けているにもかかわらず、ここ数年で「外国人排除」を訴える声が匿名掲示板やSNSだけでなく、公な政治の場やマスメディアでも注目を集めるようになり、遂にはその論調を基に躍進する政党や有名人が出始めている。
経済に必要不可欠な存在であるはずの人々が、「社会の不安要素」として語られる――この矛盾がいまの日本の姿だ。

私は、発展途上国で1年程度ではあるが、現地の方と働かせていただいた経験がある。
会社でも街中でも現地語でのコミュニケーションは取れず、現地の衣食住の文化に馴染めない典型的なザ・日本人といった外国人であったが、それでも現地の方々は皆いつも親切にしてくれて、どこにいっても歓迎の言葉をかけてくれたことは今でも忘れられない。心から感謝している。
その経験があるからこそ、文化の壁があろうとお互いの話す内容さえ理解できなくても、ただその存在を認める社会こそが、ここまで文化を発展させてきた現代の人間のあるべき姿だと信じている。

 

話は少し飛躍するが、もしもこの自分と違う人間に対しての「排除の空気」が加速したら、次のターゲットは誰になるだろうか。
その矛先が障害者に向けられる未来なんか、決してあってはならない。

日本には約1000万人弱の障害者が暮らしている。
誰もが地域で暮らし、安心できる「日常」を持つことは人として当然の権利である。
しかし現実には、家族の高齢化や孤立などの様々な理由から「行き場のない」障害者が増えている。今後ますます増えるだろう。
行き場である住まいが地域になければ、本人もご家族も追い詰められ、社会全体の分断につながっていく。

だからこそ、私たちは「暮らしを支える仕組み」をつくる。
安全で安心できる住まいを提供し、支援者と地域が共に見守る体制を築く。
「特別な施設」ではなく「地域の当たり前の暮らし」として障害者が存在できる社会を実現する。
それは単なる福祉ではなく、地域の持続可能性を守る営みそのものだ。

そして忘れてはならないのは、障害者は「支えられる存在」にとどまらないということだ。
地域で暮らすことで、新しい雇用や学びの機会を生み、支援者や地域住民に気づきと変化をもたらす。
障害者がいるからこそ、人は助け合い、コミュニティは再生し、社会は柔らかさと強さを獲得していく。
障害者は社会を受け身で消費する存在ではなく、「共に社会を形づくる主体」である。

この想いの根底には、私自身の障害児を育てる親としての焦りがある。
自分が生きている間は支えられる。だが、自分がいなくなった後、この子はどこで、誰と暮らすのか。
同じ問いを抱える親は全国に数え切れないほどいる。
だからこそ、グループホームという「暮らしの場」を残し、次世代に引き継ぐことに人生を懸けている。
自分がいなくなっても社会に地域に居場所を持っていてほしい。

もちろん現場には課題がある。
支援には人手も費用もかかる。本人の特性もあるだろうし、周りとの摩擦や他者の理解不足といったあらゆる課題が降りかかる。
それでも、負担を理由に「だから排除だ」と切り捨てれば、社会は確実に弱くなる。
必要なのは「現実的な共生モデル」と「地域と共に歩む仕組み」だ。

私たちは、障害者を「守られる存在」にとどめない。
地域の一員として役割を担い、安心して暮らし、未来を共に築く存在として位置づける。
まほろカンパニーは、グループホームという生活の場を皮切りに、その実例を積み重ねていく。

共に暮らす社会をつくるのか。
排除と分断の社会に退行するのか。
いま私たちは、その岐路に立っている。
分断ではなく共生こそが社会のあるべき姿であることを証明したい。

あなたはどう考えるだろうか。

 

 

 

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